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11/24/2015

ニューヨーク ファッションの真髄

マンハッタンのど真ん中、タイムズ スクエアからヘラルド スクエアの辺りの西側に位置するエリアは、ガーメント ディストリクトやファッション ディストリクトなどと呼ばれる。

衣料品の工場、生地やボタンなどのリテールとホールセール、その他アパレルの生産に関わる全てのものがこの一角に揃っている、ニューヨーク ファッションの中心。

授業の関係でたまに足を運ぶが、その度に感じるニューヨークの生産現場の圧倒的なエネルギーが印象深い。

事実、多くが海外で生産され、現在ではアメリカ国内で出回っている衣料品の内たったの10%が国産だと言われている。その大きな理由は紛れもなくコスト。具体的には人件費。

人件費の安い国でのアウトソースが加速する中、それに伴う人的または環境に関わる倫理的な問題は尽きない。実はかつて、ニューヨークのガーメント ディストリクトも似た問題を抱えていた。20世紀初頭、安い移民の労働力を過酷な環境で働かせ、あるビルで火事が起きた際に非常口が塞がれ多くの死傷者を出した暗い歴史がある。(詳細)  

そこから大きく環境は整えられた今、規模は縮小しているものの、アメリカ しかもこのニューヨークという何をするにも高い都市で続けられているアパレルの製造の現場を見ることができるのはとても貴重だと思う。


ニューヨーク デザイナーの服がミシンによって縫われていく様子。サンプルや生地の山に埋もれる中作られていく高価なドレスやジャケットは、最後の工程であるプレスやスチームを当てられハンガーに掛かるまで、一体何なのかよくわからないくらい、そこに流れるパワーとスピードに紛れている。そう、ここではその作られるものやデザインだけではなく、確かなエネルギーと技術にこそ価値があるのだと感じる。ニューヨークのファッションは商業的で面白みが欠ける一方だとも言われるが、それでもここには確かにここにしかないものがある (と信じたい) 。

いくつか工場を回った後最後に訪れたパターン/マーカー メーキングの工場。その日の営業はとっくに閉めた後私たちを待っていてくれて、夜の8時を過ぎていたにも関わらず、1時間以上かけて丁寧に工程を説明してくれたオーナー。更には具体的なデザイナーのサンプルと共にさまざまなユニークな傾向をおしえてくれた。未来のニューヨーク ファッションの世界を担う (かもしれない) 私たちに、何かを感じてくれたのだろうか。

そこにいた猫。


ここでは書き切れないほど、今回のこのパターン/マーカー メーキングの工場への訪問からは多くのことを学んだ。デザイナーと一緒に動くこういった生産の現場。私はファッション マーケティング専攻なので直接ものを作る部分に大きく関わることは少ないが、ニューヨークで、そしてパーソンズで勉強している上で、こういった部分も見られるのは非常に有意義だ。クレイジーな話も多く、なんて業界を選んでしまったんだ!と思うことも多々あるが、それでも懲りずに好きなものをキャリアにしたいと思った人たちが作り上げる世界は、やはりワクワクする。


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10/15/2015

ビデオ

Merchandising Workshopという授業で課題で作成したビデオ。


Modernist Concept Video from cookiehead on Vimeo.

この授業は、自分のブランドを立ち上げる過程において、いかにそのブランドのターゲット、コンセプトやアイデアをビジュアルで表現するかを重視している。

教授から与えられるのはとても大まかなテーマのみ。Traditionalist, Rocker, Romanticistなどがあった中で私が選んだのはModernist


そこから絞り込んだターゲットのアスパレイションとなる女性像は、

  • 30-40歳の自立したプロフェッショナル。(結婚しているかしていないか、子供がいるかいないかはあえて設定せず、ただどの場合においても(ある程度の)インデペンデントなライフスタイルは維持している。)
  • アート ヒストリーの修士を持ち、ニューヨークのギャラリーで働く。
  • 多くのカルチャーに幅広く触れる中、自分の好きなものを知っている。

ファッションにおいては、

  • 建築に大きなインスピレーションを受けている。
  • 質を見る目があり、様々な素材を組み合わせる。
  • ファッションは投資と考え、自分のワードローブに加わったものは長く愛でる。
  • モノクロマティックやニュートラルな色を好む中、部分的に色で遊ぶことも知っている。
  • ランウェイ コレクションの大御所からアップカミングなデザイナーまで幅広い。
  • 仕事柄、夜はレセプション等に出席することも多く、昼から夜へのスタイルのトランジションが上手。

と、そんなアイデアを練りつつ、それらを言葉ではなくビジュアルで表す。

今回作ったビデオは、その段階におけるコンセプトの部分。多くのビジュアルと音楽をつかって具現化していく。




全ては空想の世界。そして特にこの授業はコストやプロダクションといった部分にあまり目を向けず、いかにブランドをイラストレートしていくか、という点にフォーカスしているので、極めて現実味は薄いように見える。しかし実際に、こういった作業はどのブランドもしており、ファッション デザインではなくファッション ビジネスを専攻している私たちにとっても、この部分は重要。

今週の授業で発表するこのビデオ。クラスメイトが見せる世界、そして発表後交わされる意見も楽しみ。

Parsonsは今学期で最後。課題で眠れない夜は正直しんどいけれど、卒業後、きっと、学生として一つ一つの課題に向き合っている今のことを懐かしく思うのだろうな。クリエイティブでコンセプチュアルな授業は、好き。

(ちなみに、使用した音楽はAphex Twinの "Xtal" という楽曲。)


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9/14/2015

インタビューを受けた

大学時代の友人からの繫がりで、インタビューを受けた。ADDmagazineという、ウェブとフリーペーパーで情報を発信している、日本の学生達が立ち上げたファッション/アート/カルチャーのメディア。

ニューヨークで学びたい
ニューヨークで働きたい
ニューヨークのファッションの世界に触れたい

そういった考えを持っている方に向けて、私の話から何か少しでも見えるものがあれば、と思い受けた今回のインタビュー。

少し長いですが、興味のある方、是非読んでみて下さい。

MY KIND OF NEW YORK CITY - ADD magazine
http://tokyo-add.com/2015/09/49751/






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9/02/2015

ファッションに愛はある?(あって欲しい。)

ファッションを学んでいると、ファッションが好きかどうかだけじゃなくて、それをビジネスとして見るようになる。少なくとも、見ようとする。

そうすると、以前に増して、嫌いなブランド/デザイナーが増える。

魂を売ったように見えるデザイナー。山ほどいる気がする。

私は商業主義に走ったブランドを否定はしないけど、そこに愛がなくなってしまっていたら嫌いになってしまう。

Michael Kors, Tory Burch, Coach, J. Crew, etc.
 ※完全に主観。

気づけばニューヨーク発信のブランドにそういったビジネスの道を選んだものが多い気がする。

ファッションを知らない人を騙すかのように手玉にとり、ロゴや名前を前面に出してモノを売り、本来のアイデンティティを失い、そして一過性のピークを経験し、最終的には落ちていく。

ファッションを知らない人がファッションを楽しむ為のブランドは必要だとは思う。Gapはそういった市場を確立した代表的なブランドだと思うし、今のファスト ファッションも大半はそういった需要に大きく応えている。そして買えるラグジュアリーが必要なのも理解できる。現に私だってそれが必要だ。

しかし上に挙げたようなブランドは、ランウェイを持っていたりファッション ウィークでプレゼンテーションを行う。コレクションを発表するブランドである以上、アートであり、そして愛情があるクリエイティビティを発信すべきではないのか。ファッションを知らない人にロゴやうわべだけの価値を与えて満たすのは、ランウェイ ブランドが行うべきことではない。

そうやってクリエイティビティが失われ、誰もが目にするわかりやすいブランドに成り下がった代償がビジネスの後退であれば、それはしかるべき制裁を受けていると思わざるを得ない。

あーなんだか、そういったサイクルを見届けながら、自分が好きなブランド、ロイヤリティを感じられるブランドが変わらず届けてくれる愛情を感じられることに、感謝すら覚えるくらいだ。

ファッションに愛はあるはず。それをもっと届けられるマーケットにいたい。


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8/23/2015

ニューヨーク ファッション業界のインターンシップ

だいぶ熱も下がり、体調も落ち着いてきた。3日寝込んでいる間に読んだ中で気になった記事について。

このBusiness of FashionのOp-ed(Op-edとは、主に新聞や雑誌などで、その出版元とは無関係の著名な人が寄稿する記事のこと)はニューヨークのファッション業界に身を置きたい人には是非読んで欲しい。


"Are Unpaid Internships Acceptable?"

http://www.businessoffashion.com/articles/opinion/op-ed-are-unpaid-internships-acceptable?utm_source=Subscribers&utm_campaign=fa8b30cc4d-&utm_medium=email&utm_term=0_d2191372b3-fa8b30cc4d-418101517

主にこの記事は、ファッション業界における無償のインターンシップはいい子?悪い子?普通の子?的な内容。(さすがにこの表現は私には古過ぎるけど、高校の頃の先生が使っていたのを覚えていて、まさしくこの内容にはぴったりだと思ったので使ってみた。)

記事によると、近年ニューヨークのファッション業界で、無償のインターンシップに対して、学生側から訴訟を起こすケースが増えている。その相手はGucci、Ralph Lauren、Calvin Klein、Donna Karan、Marc Jacobs、Oscar de la Rentaなどなど、ビッグネームばかり。更にHarper's BazaarやVogueも過去にインターンシップ関連で比較的大きな訴訟を抱えた経歴がある。

論点は以下。

  • 企業とのインターンシップを通して大学の単位やその他報酬を受けなかったインターンが、通常の従業員と変わらぬ働きをしたにも関わらず最低賃金すら得ないのは不当だと企業を訴える。
  • 裁判所は、インターンが得た利益と雇用主が得た利益を検証する。
  1. 雇用主は従業員がもたらすのと同様の利益をインターンから得ているのではないか。
  2. インターンは無形の利益(レジュメに書けるような経歴、経験、コネクション作り)を得ているのではないか。

結局、結果は雇用主よりのものが(現状)多かったり、millennials (2000年以降を生きる若い層の総称)の考え方はついていけないといった社会的風潮(日本で言う、「今時の若いものは」といったやつ)も強いのも事実。

私はmillenialからはほど遠い昭和生まれでありながらインターンとしてファッション業界に身を置く、いわば中立的立場もとれる立ち位置。要は結構いい歳して今一からこの業界を学んでいる。私自身は今のインターンシップにはとても恵まれていて、多くのことを見て、経験して、学ぶことができていて幸せだと思う。ただ、多くの友人たちの話を聞いていると、ファッション業界のインターンシップは単純に「なんでも頼まれるポジション」になっているケースは少なくはないようだ。

それを喜んで引き受けて、期待以上の働きをして、未来に続けていくか、いやーやっぱり私はそんなタイプではないや、と早々にそれから引き揚げるか。あなた次第。

理にかなっていない部分はファッション業界には多くある。最先端のファッションを作り上げる世界でありながら、中身はなかなかのクラシックさがある。例えばでデザインチームでインターンシップをしていたとしたら。そんなのまさしく製造業のど真ん中であり、古臭い体制があるのは承知の上で飛び込まないといけない。それが時にスマートじゃなかろうとも。sophisticatedでなかろうとも。

そして。今時の若いものには、そりゃそれが納得いかない人もたくさんいると思うしそれも間違ってはいないと思う。そういった人たちは、その体制を変えるべく、自力で会社を立ち上げたりブランドをスタートしたり、そういったバイタリティ(と資金力)さえ持ち合わせていればいい。更に、事実そうやって若い内から自分の判断で会社やブランドを立ち上げて成功した前例もニューヨークには多くあることも忘れてはいけない。

そうやっていい子?悪い子?普通の子?な曖昧な世界を自分自身の判断で生き抜いていくのがこのニューヨーク ファッションなのではないかと強く思う。

ただ。一つ最後に思うのは、そうやった今時の若者が、ファッションのインターンシップなんてやってられるか!こんなタダ働き!私は自分のブランド立ち上げるわ!と始めた会社で、無償のインターンシップをこき使うようなことはあってはならない。そこまで理にかなってないとほんと、「今時の若いもの」以外のいい訳が見つからなくなっちゃう。


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7/07/2015

ロバート・デ・ニーロが未来のアーティスト達へ送った言葉にぐっとくるよ

私が記事を投稿しているroomieというサイト。

最近更新した記事がこちら。

「ロバート・デ・ニーロが未来のアーティスト達へ送った言葉にぐっとくるよ」
http://www.roomie.jp/2015/07/273734/

courtesy of roomie

私が大好きなロバート・デ・ニーロについてこうやって記事にできたことがものすごく嬉しい。

中学生の頃、連夜、マーティン・スコセッシ×ロバート・デ・ニーロの映画を日替わりで深夜放送していた時期があって、その時に2人による作品を多く観た。"Taxi Driver"に衝撃を受けた。その舞台であったニューヨークに、映画の中で捉えられている街とは今は大きく変わっているけれど、今私もいると思うと、不思議な感じ。そして、その当時放送された多くの作品の中で一番好きになったのは、"The King of Comedy"  彼らの作品の中で最も有名なものの一つではないけれど、隠れた名作として実は評価は高い。皮肉たっぷりのブラック コメディ。"Taxi Driver"のTravisとどこか重なる部分がある主人公がリアリティと妄想の狭間をさまよう感じが素晴らしい。観たことない人は是非観て欲しい!

そして今インータンシップをしているエリア、Tribecaには今もロバート・デ・ニーロは住んでいるという。終わるまでの間に、見かけることができたらきっと気を失いそうなほど嬉しいな。。。

記事で触れているのは、今年のNew York University Tisch School of the Artでロバート・デ・ニーロが行った、未来の映画やパフォーミング・アーツの世界を担う卒業生へ送った祝辞について。

皮肉やジョークが盛りだくさん。その中で、恐らく特に映画の世界を選んだ卒業生達にとっては、シンプルながらとても大きな意味を持つメッセージが多く含まれていると思う。

私もParsonsというアートを中心としたニューヨークの大学に通っていて、いずれ卒業する。そんな私にとっても、このスピーチはこれからプロフェッショナルとして生きていく上でとても響く。

そして、今既にプロフェッショナルとして働いている人にとっても、映画界のような競争の激しい世界の成功者ロバート・デ・ニーロの言葉は、一度立ち止まって今まで歩いてきた道とこれからのことを考えさせる、そんなスピーチじゃないかな。

「ロバート・デ・ニーロが未来のアーティスト達へ送った言葉にぐっとくるよ」
http://www.roomie.jp/2015/07/273734/



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7/04/2015

ニューヨークが眠らないわけ

ニューヨークはよく、24時間眠らない街と呼ばれる。

地下鉄は夜中も休みなしに走り、タイムズスクエアの明かりは消えることはない。宗教や民族が多様な故、クリスマスやお正月も営業する店は難なく見つかる。

人々を見てみても、歩くのは速いし、パーティをはしごするようなことも多くある。学校も、課題の量が尋常じゃなくなり学校にずっといる学生も見かける。

ニューヨークで皆が口にする言葉 - 「忙しい」

そんな中、この度ニューヨークのオフィスでインターンとして仕事を始めて1ヶ月経って思ったこと。

ニューヨークの仕事の「忙しい」< 東京の仕事の「忙しい」

私の出身である東京は、眠りに就くのは遅いが、眠る街だと思う。終電はあるし、お正月はコンビニや特殊なお店をのぞいて主要なお店は閉まっている。

それでも、仕事となると、もっと多くのプレッシャーがのしかかっていた気がする。時間的拘束も大きかった。私が東京で働いていた時期は、朝から終電まで会社にいて、週末に出勤したことも数えきれないほどある。朝5時台に出勤し、タクシーで帰宅したことだって幾度となくある。日帰りで沖縄まで出張したことも。

一方こちらでは、インターンとしてはそこまで責任が与えられないのは当然だが、周りの社員の仕事振りを見ていても、明らかに重量感が東京に比べたら数段限られているように感じる。

まずは、「無茶はしない」といった印象。休息をしっかりとる。仕事中にブレイクをするし、休みもとる。例えば私のチームは先週はメンズ コレクションでパリに行っていて、ファッションウィーク中は多忙だったようだが、皆休みをとって早めにヨーロッパ入りし、バケーションを楽しんでいた。

先日行ったルーフトップバーでみた、平日6時にネクタイを外して飲んでいたニューヨークのサラリーマン達

そして、責任の境界がはっきりしている。自分たちのやるべきことの領域を全体でしっかり管理していて、自分の関わりではない業務はまず請け負わない。どこが持つべき責任かはっきりしない場合は話し合って事前に決定をしておく。日本の社会において特有の曖昧な領域というのは極めて存在しない。

更には、チームワークの仕組みが有効的に活用されている。プロジェクトごとにチームがしっかりしていて、そこから各個人への業務へ落とされている。これは、Parsonsにおいてグループワークを重視している様子からも伺える。これが実社会においても重要だということを学校のプロジェクトを通しておしえている。

ここまでだと、ではニューヨークは楽なのか、といった印象になり兼ねないが、そう言いたいわけではない。ニューヨークが、アメリカの、そして世界の中心の一つである限り、やはりこの街は「眠らない」勢いで周り続けている。それぞれが、個人を尊重し、チームを尊重し、仕事の結果を出し次に繋げているのだ。逆にいえば、結果が出なければ、今日で最後、といった容赦ない制裁が当たり前のようにある。

次から次へと巡ってくる仕事をひたすら、そして丁寧にこなすことが評価されることが多い東京に比べ、ここニューヨークは仕事の流れをいかにコントロールし結果にできるかが尊重されているような印象だ。

無茶はせず、でもやるべきことを効率よく進め結果を出す。そして自分の時間は自分のために思いっきりつかう。そこに一切の悪はない。仕事を終えて繰り出す街を眠らせず動かすには、そのための仕事を担う人たちがいる。

ああ、そうか、眠らない街ニューヨークでは、仕事と遊びのサイクルが街を眠らせていないのだと感じる。


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6/24/2015

ブランドの存在と価値の比例

毎日色んなことが起きたり、語られる、ファッションの世界。

クリエイビティとビジネスの狭間でどっかりと身を据えるように見えるファッション業界だが、語られるニュースは、明らかにビジネス寄り。うねうね婉曲し、時に時空も空間も超えるような動きを見せるファッション業界のあれやこれ。

その中で、いくつかのニュースを通して、私たちがブランドの価値を無意識の内に定めてしまっている現象があるのでは、と感じた。

例えばこのニュース

courtesy of Tom Ford and Style.com

"Net-a-Porter Will be the First Site to Sell This Major Designer's Clothes"

ラグジュアリーのマーケットにおいて、事実上世界最大のオンライン プラットフォームを持つNet-a-Porter が、この度初めてTom Fordのメンズ/レディスのアパレルをオンラインで販売することになった。Tom Fordは自身のオンラインの販売チャネルを持つが、現状 小物とビューティに限られているとのこと。

ラグジュアリー ブランドでまだアパレルのオンラインに踏み切っていないブランドは多くあるが、このTom Fordのように、オンラインへの進出はラグジュアリーでも避けられなくなってくる予感がする。

マス マーケットからはこちらの記事

courtesy of New York Times

"Gap's Fashion-Backward Moment"

Gapはこの度、アメリカでのマーケットの大きな縮小を発表した。つまりは、多くの店を閉店し、そして大きなレイオフを行う。これの完了により、Gapの店舗数は2000年のピーク時の40%まで減少することになる。New York Timesのこの記事の分析によると、この背景には、やはりZara、H&M そしてUniqloといったライバルの存在があるという。そしてこの一言。

「Gapは時代遅れ」

例えばZaraの強みは、(ランウェイを模した)最新のデザイン、グローバルに自社工場を持ち小ロットで早い回転の生産、それを手の届く価格で提案するというところ。

一方もっとベーシックなアイテムとなると、Uniqloの伸びは無視できない。ハイテク素材の使用による品質における信頼、Jil SanderやPharrell Williamsとのコラボレーションといった付加価値がある。

つまりはGapは市場における立ち位置を失ってしまっている。ビジネス的にも、アイテム的にも。

そしてこの現象はGapに留まらず多くのアメリカン マス ブランドに見られるという。Abercrombie & Fitch、 American Eagle そしてその少し上に位置するプレミアム ブランドであるJ.Crewも。

どの国のビジネスでも同じだが、こういった状況に陥るととられる戦略 - 「自分の国で飽きられたら、他の国に売りに行く」

ただ、ZaraもH&Mも、グローバルで成長を続けているブランド。Uniqloもグローバルでの利益が大きくなっている。そこに、「時代遅れ」のアメリカン ベーシックが入り込む余地はあるのか。

事実、ニューヨークにいて、Zara、H&M、そしてUniqloのエクスポージャーはハンパない。

ミッドタウンを歩けば、ブロックごとにこれらのお店を見かけるような状況。ラグジュアリー ブランドの隣にファスト ファッションが並ぶ現象も多く見られる。

関連するニュースとして、H&MはいくつかあるFifthe AvenueのH&Mの店舗であったテナントを、自社の姉妹ブランドであるCOSの店舗にするという説。

courtesy of COS

"The Largest COS Ever May Open on Fifth Avenue"
http://ny.racked.com/2015/6/23/8831817/cos-hm-fifth-avenue-nyc

これが実現すれば、COSブランド世界最大規模の店舗になるとのこと。

ちなみに、H&Mブランドの世界最大店舗がHerald Squareにオープンしたばかり。

ラグジュアリー ブランドがオンラインに踏み込み、マス ブランドはハイストリート巨大店舗のオープンが続く。それぞれのマーケットがオーバーラップし、チャネルの選択も多様化し、消費者に対する存在のアピール合戦が加速している感じ。

何が新しいのか、何が画期的なのか、もはやわからない。同じことをし続けるコンヴェンショナルなブランドに安心感は覚えるが、そういったブランドの中でロイヤリティを持って愛せるものを一体どのくらいの消費者が持っているのか。多くの消費者はラグジュアリーもマスも、日によって使い分け、故に、ブランドに対して固定の存在感を求めていない。というか、もはや求めることは不可能に近い。(そもそもこれは消費者の欲求に起因するのかという部分も議論になるが。)

こういったいくつかの事例を見ていて気づくのは、とにかく「存在を感じる場所」は多ければ多い程いいのか、といったところ。ビジネス重視であり、多くの人に見てもらい、存在を認知してもらうこと、その度合いが、結局そのブランドの価値になっている気がする。

左: アピール、右: それから反映する存在の大きさ = ブランドの価値

存在そのものがブランドの価値を大きく左右する。果たしてこれは、ファッションにおいて正しいのか。

ファッションは衣食住の一つでありつつも、自己表現やアートの一部でもある。身を覆う必要不可欠なものがアートであるという、なんとも特異な分野でありながら、その世界を大きくビジネスが占めており、そこで勝ち残らないと未来はない。

この現実は常にそこにあり、そしてあり続ける。

ブランドの存在と価値の比例というのは避けられないのかもしれない。しかしその存在の部分にクリエイティビティへの重きを置く観点を、理想主義的だとしても、忘却してしまうのは悲し過ぎる。


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5/08/2015

Opening Ceremony のCarol LimとHumberto Leonの講演

Parsonsに、ニューヨーク、LA そして東京でも人気のコンセプト ストア Opening Ceremonyの創始者であるCarol LimとHumberto Leonがやってきた。


2人は、2012年より、パリを拠点とするKenzoのクリエイティブ ディレクターとしても、ブランドを生まれ変わらせたことで知られている。

彼らのことはあまり知らないまま出向いたが、すごく雰囲気のいい講演で、自らのブランドを立ち上げることを視野に入れているParsonsの学生たちとはとてもクリックした印象だった。


2人ともUCLA Barkeleyの出身。講演自体も、終始ニューヨークというよりは西海岸のイージーゴーイングなパーソナリティが感じられた。成功者でありながらシンプルに語られる思いには、聞き入ってしまったなぁ。

- 音楽、食べ物、旅など様々な「ストーリー」(実際彼らはこの「ストーリー」という言葉を多く使っていた)を感じられる、ニューヨークに今までになかったお店を作りたいという情熱
- 限られた資金からの投資元探し
- 2002年当初はまだショッピング エリアではなかった、チャイナ タウン、リトル イタリー、ソーホーのクロスオーバーするエリアでの一号店出店
- Ace Hotelがニューヨークに進出するにあたってのコラボレーションのオファー
- 新しいデザイナーの発掘
- オンライン ストアも運営しつつの実店舗への思い入れ
- Kenzoのプロダクションとの両立

様々な要素が丁寧に語られ、元々Opening Ceremonyは好きだったけど、ファッショナブルな雰囲気の奥に真面目な強さが感じられて、益々好きになった。


こちらでこの講演の様子は公開されています。



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3/27/2015

Stella McCartneyの成功

イギリスのデザイナー Stella McCartney

彼女は、もちろん、The Beatles のPaul McCartney とLinda の娘として有名だが、その親の名をなくしても自身のデザイナーとしてのキャリアを確立している。

Stella McCartney
http://www.stellamccartney.com/us

(courtesy: style.com)

世界最高峰のファッション スクールの一つであるSaint Martens出身
Chloeでクリエイティブ ディレクターを務めた後、2001年に、自身のブランドStella McCartneyを設立している。

BoFによると、2010年から2013年にかけて60%の成長、そして利益は$5百万を出しているという。

Stella McCartneyを語る上で欠かせないのは、”sustainability” (サステイナビリティ)
日本語では「持続可能性」

彼女の場合はファッションデザイナーとして、徹底したveganのコンセプトを貫いている。レザー、ファー、フェザー等、動物性のものは一切使用しない。

実際、彼女のこのveganに対する精神は、親の影響もあるのかもしれない。両親ともに菜食主義者であり、それを広める活動も積極的。

(courtesy: peta.org)

とはいえ、Stella McCartneyはラグジュアリー ブランド。ファストファッションで使われるようなPVCや合皮を使うわけではない。ハイファッションとして可能な代替素材を自分たちでソースして製品にしている。

その彼女が、ハイファッションとしてのveganでsustainable なブランドを確立した成功の裏側を特集する雑誌がもうすぐ発売される。

BoF- BoF Cover Star Stella McCartney on Building a Sustainable Luxury Brand


この号は、sustainability を始めとした、ファッションが抱える七つの問題について組んだ特集。

そして、来月頭に、Parsonsにてこういった講演がある。

"Why Sustainable Business is Smart Business?"


Kering の会長兼CEOが講演に来るのだ!Kering とは、以前はGucci Groupだったもの。現在は、Gucci以外にもAlexander McQueen, Balenciaga, Bottega Veneta, Saint Laurent などを傘下に置く。そして、そう、Stella McCartneyも。

元々sustainability に関心が強いわけではないけれど、確かに、単純に、顧客にはveganではない人も多く、本革ではないものに、それと同等もしくはそれ以上の価値を提供しているStella McCartney にすごく興味がある。

Bofの発売と、Keringの講演に期待。


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3/26/2015

Marc by Marc Jacobsがなくなる話

ニューヨークを代表するデザイナー、Marc Jacobs

彼の名で展開されているブランドは現在2つ、メイン コレクションのMarc Jacobsと、その流れを引き継ぎつつ価格を抑えたMarc by Marc Jacobs

この度、そのMarc by Marc JacobsがMarc Jacobsのブランドに統合されるとのニュース

"Here Marc by Marc Jacobs Folding into Jacobs Line"

Marc by Marc Jacobsは2000年にスタート。手が届きやすい価格でマークのクリエイションを楽しめるブランドとして、若い世代にも買いやすい人気ブランド。

先日発表されたFall 2015
(courtesy: Style.com)

お洋服だけでなく、バッグ、そしてサングラスやiPhoneケースなんかも人気。
(coutersy: style.com)

記事によると、この統合は商品を減らすものではなく、全てのものを一つのヴィジョンと美意識のもと統一させるためのもの。そして究極には、より幅広くブランドを広げていくとのこと。

2013年にMarc JacobsがLouis Vuitton を去り、自身のブランドに注力している上での決断のよう。そしてその先のゴールは、IPO (Initial Public Offering) つまり株式公開にあると各紙が報じている。

現在展開されているMarc by Marc Jacobsのお店については、すべてMarc Jacobsになるのではという説が有力。その一方で、Bookmarc といった別のビジネスに充てる可能性も示唆されている。

"Bookmarc"

Fall 2014から、Marc by Marc Jacobsのクリエイションを手がけていた2人、Katie Hillier と、Luella Bartley

(coutersy: elle.com)

この動きによってブランドのリフレッシュが進められていた中での今回の発表。

いわゆるsister brandというのは、ファッション ビジネスにおいてここのとこずっと続いている流れ。ぱっと浮かぶだけでも、、、

Donna Karan - DKNY
Chloé - See by Chloé
Valentino - REDValentino
Zac Posen - ZAC Zac Posen
Thakoon - Thakoon Addition
Derek Lam - Derek Lam 10 Crosby
Jil Sander - Jil Sander Navy

Marc byは特に比較的若いブランドにとってもその流れをメインストリームにした先駆け的存在。

Ralph Laurenといったライフスタイル ブランドとまではいかずとも、価格帯の違う別のコレクションをもつことは、新しいファンを獲得する上でも、そして顧客の人生のステージに合わせてもローヤリティを作る上でも、前向きな拡大だと思う。

ところが、先日Kate Spadeも、姉妹ブランドのKate Spade Saturdayを大幅に縮小すると報じられた。

"Kate Spade Saturday and Jack Spade Stores to Close"

こちらは完全に、Kate Spade親部分の、ライフスタイル ブランドへの拡大における足かせになってしまったよう。

メインブランドのイメージの保護や、品質の確保、シェアの取り合いからの共存の難しさ、そして利益の出し方といった、様々な要素が絡む、ブランドの拡大。

景気が向上しない限りは、こういった低価格ブランドへの取り組みは必須な中で、今回のMarc Jacobsの動きはとても興味が湧く。


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3/12/2015

NYFWの厳しい批評

FW2015のファッションショウも、パリが間もなく終わりを迎え、一通り終了するところ。

その中で、少し前の記事になるけれど、今回のニューヨーク ファッション ウィークについて、厳しい批評が載っていた。


"New York Fashion Weak" - The Business of Fashion

全体的にかなり辛口の批評になっている。まとめると、
1. クレイジーな程、多くのショウが行われ過ぎている。スケジューリングの改正が必要。
2. "commercial" (商業的) 過ぎて、"surprising" (驚く) "innovative" (革新的) な部分がない。
3. デザイナーより、そのスタイリングを担当するスタイリストの手がよく見えてしまっている。

その他にもかなりharshな表現が。

例えば、
"New York is so pragmatic, it sometimes makes you yawn."
 「ニューヨークは実用主義的で、時にあくびが出るほど退屈である。」
"It is honestly impossible to hold lasting memories of what you saw. Shows keep slipping by."
 「ショウはひたすら進んでそして過ぎ去り、記憶に残るものはほとんどない。」
"a sign of laziness"
 「怠惰の兆候」

2の、革新性が欠けていることに加えて、更に大きく論じられている内容としては、多くのニューヨーク デザイナーは、Célineといった業界を牽引するブランドのムードを引き継ぐ傾向が(世界中であるが、) 特に顕著であるということ。

以下の内容はとても皮肉だと感じた。

"America, so the saying goes, is the place where everything gets bigger. Another cliché admittedly, but, also, a heightened form of truth. It surely is for fashion; New York’s ever-expanding fashion week lacks genuine design innovation, which does not mean avant-garde fashion, but finding a visual language that is rooted in the moment."

アメリカという国は、何事も大きくなる国であり、ファッションウィークは拡大の一途をたどっている。本来のものが誇張されている状態。しかし、それ故か、アヴァンギャルドに限らずとも、その一瞬にヴィジュアル ランゲージとして根付く、真のデザイン イノベーションを欠いている、と。

そんな酷評の中でも、Marc Jacobs, Proenza Schouler, Alexander Wangなどといった、いくつかのデザイナーはいい評価を受けていた。

ニューヨーク ファション ウィークがごちゃごちゃしてしまっているのも、それだけのデザイナーが多い故。そしてチャンスが多いということでもある。ただ、その中で秀逸なショウはかなり限られているとすると、単純に無駄が多いということになる。確かにそれは否めない気がする。

ただ、実用主義が目立つというのは、ニューヨークの持つ個性なのだとも思う。ニューヨークはやはりニューヨーク。元々革新的なデザイナーはよりは、実用主義のもと表現力の高いデザイナーが成功する街なのではないかな。パリのようなクチュリエ、ミラノのようなアルティザン、ロンドンや東京のようなアヴァンギャルドの街ではない、ファッション ビジネスの街。

この秋にはメインの会場はリンカーンセンターから移り、また大きく変化するであろうNYFW 厳しい批評はあれど、拡大に歯止めはなかなかかからない気がする。


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