1/28/2014

At the Parsons Table: J. Crew のCEO Millard Drexler氏の講演

昨夜、Parsons で行われた講演に行きました。
元GapのCEO、現J.Crewの会長兼CEO及び Apple.Inc の幹部であるMillard Drexler と、ピューリッツァー賞受賞の建築評論家であり Parsons の教授であるPaul Goldberger の会話を通したレクチャーです。
向かって左側がMillard "Mickey" Drexler, 右側がPaul Goldbergerです。

会場は新しくオープンした校舎。800人入るホールは満席でした。

Drexler氏はデザインをマスマーケットに持ち込んだ第一人者と紹介されました。
Ann TaylorのCEOを務めたのち、Gapにて、主に1990年代、ブランドの価値を高めたと言われています。NYCにいると少し感じにくいですが、アメリカ全体は決しておしゃれな人ばかりではありません。(NYCだって実際には。。。) 
その中で、アメリカで そして世界で、Gapはファッション ブランドになれるのを証明したDrexler氏。
一般的には、ジーンズは$35-50が市場の40%以上を占めるそう。一方で、1990年代といえば、3万円以上するような高級ジーンズが台頭したタイミング。その中でGapが価格帯を据えながら新しい展開の余地を見出していった経過は非常に興味深かったです。

J.Crewは更にそれを発展させた、建て直し&ブランド構築。ファストファッション市場とは一線を画し、誰もすぐには捨てないクオリティ、デザインと、それに合った値段で、3万円するようなジーンズは作らない。つまりは$35-50ジーンズと$300ジーンズの間の層の、新しいブランド価値なのです。sensibility(感性、敏感な感覚)があり 且つ affordable(手が届く)なブランド。速さもありつつ優先はクオリティ。そして、デザイナーは冠していないけれど、多くのクリエイティビティと、買い付けも少し行うことでより多様性を高める。この点は、もしかしたら、日本のBEAMSのようなファッション ビジネス モデルを少し取り入れているのかもしれません。具体的には言及されませんでしたが、東京を一番感性の高い街と言った上でこの部分の話を展開していたので、日本のセレクトショップ形態を思い出しました。

J.Crewの今後の世界展開について。今年はイギリスに2店舗、香港に2店舗。その後中国本土とその他ヨーロッパへの進出を検討しているとのことでした。どうやら、日本にはまだ戻ってこないよう。。以前日本にあった頃のJ.Crewとは全く違う、ファッションの提案や文化のあるブランドに全く生まれ変わっているので、日本でも人気出ると思うのになぁ。。。サイズも型によっては00からあり、私も今年コートを買いましたが160cmでサイズ00がピッタリです。但し、オンラインショッピングは日本も含め100を超える国から可能。すごいですね!!

Uniqloの柳生社長とも東京にて対面しているそうです。UniqloがGapのSPAモデルを元にして始まったのは有名な話。「だから、Mr. Yanaiは私にお礼を言っていたよ。だって今では日本一お金持ちだからね!」とのことでした。

ちなみに、デザイナーのLulu Frostが来ていました。J.Crewとコラボレーションしてアクセサリーデザインをしています。

J.Crew の他にもMadewellというブランドもあり、そちらの展開も今後より進めていくそうです。

その他にも、Gap時代の失敗談、J.Crewのショップとオンラインの関係性、ディスカウントストアやアウトレットに対する考察など、様々な内容が展開されました。
興味のおありの方はライブストリームがアップデートされていますのでよかったらご覧下さい。


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1 件のコメント:

  1. はじめまして。お隣のNJに住んでいるMarketing好きな者です。
    レポートまとめて頂きありがとうございました、興味深く拝見しました。

    J.Crewの視点はおもしろいですね。中間の価格帯を狙う戦略は日本(特に大都市圏)でも絶対に流行る気がします。そして、ショップとオンラインの関係性が特に気になりますので、別途ライブストリームを見てみようと思います。(ショップとオンラインを繋ぐ戦略で成功している所って、日本ではあんまりないと感じていたので)

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