ライオンがお迎えする、本当に見事な公立図書館です。
"The ABC if It: Why Children's Books Matter"絵本を中心とした児童書の役割がテーマ。どのように社会というものを子供に教えるか、各文化や時代の児童書の豊かさ、アート、多様性に焦点を当てて描かれています。
日本でもお馴染みの絵本に関するしかけや展示がたくさん!
"Where the Wild Things Are", 「かいじゅうたちのいるところ」
どの本かは忘れてしまったけれど、プレゼントのリボンがかわいかったしかけ。
その他にも様々な国や地域の様々な児童書が。
人種のコーナーで、興味深い解説が。
私が子供の頃は存在した、「ちびくろサンボ」についてです。英語では"The Little Black Boy Sambo"というそうです。そもそもこの本は、イギリス人がインドを設定して書いたお話と挿し絵が、アメリカにてアフリカ系アメリカ人を彷彿とさせる内容に変えられて広まったという、少々複雑な経緯があるようです。その後、描写の人種的偏りの強さから大きな問題に。
人種問題から日本でも絶版になったと聞いた記憶があったのに、ここの展示での解説では、「公民権運動発展後の1970年台ごろアメリカを始め世界中でこの本は姿を消したが、日本でのみは人種問題の対象と見なされず読まれ続けている」と書かれていました。日本では改訂を繰り返し形を変えて出版がされた過去もあるようなので曖昧ではありますが、はっきりと、日本には人種の概念がない為問題がないと、事実のようの書かれていたのは少し衝撃的でした。
最後に、ニューヨークの描かれた絵本が紹介されていて、
Maurice Sendak の"In the Night Kitchen" という絵本がかわいかったです。しかしこの本も、主人公の少年が夢の世界でパジャマを脱いでほぼ裸で冒険をするシーンの描写が、アメリカで問題になったそうです。
絵本のカラフルで豊かな表現とともに、児童書のシンプルさゆえに子供に与えてしまう可能性のある印象や影響の大きさを感じました。規模は小さいですが想像以上に内容の濃い展示でした。
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