この春発売になったVogue USAのこの表紙
アメリカの伝統あるファッション誌として、リアリティショウからのし上がったお茶の間セレブであるKim Kardasianを表紙に起用したことは、大きな議論となった。Vogueの品格が下がったという反論は大きく、Vogueの購読はもうやめるとTwitterで宣言した女優までいたし、多くのジョークのネタにもなった。
沈黙を続けていたVogueの編集長、Anna Wintourがとうとう今週、それについて発言したということで、少し話題になっている。
http://fashionista.com/2014/11/anna-wintour-kim-kardashian-vogue-cover
簡単な内容:
「Vogueの役割は今のカルチャーの中で何が起きているかを反映する事。例えば、かつてはとても議論の対象になりやすい存在だったマドンナは、初めてVogueの表紙を飾ったセレブリティ。当時では考えられなかったこの起用だけど、今では彼女はここまで来たことの一部になってる。
もし深くtastefulな人を掲載し続けtastefulであり続けたら、ただのつまらない雑誌になってしまう!誰も話題にしなくなる。皆が私たちVogueについて話す事が重要。」
tastefulというのは、日本語でいえばセンスや風流の豊かさがある、ということ。つまり、彼女は遠回しにKim とKanyeは趣向的にVogueには適していないけれど、話題の為に起用したし、それは必要なことだった、と認めた事になる。
とはいえ、これは今、必要な動きだったと言う事を強調している。例えば引き合いに、Estee Lauderが最近広告モデルに起用したKendall Jennerについて話している。
Kendall Jenner も同じくKeeping up with the Kardasians出身。Instagramには16ミリオンを超えるフォロワーがいて、若い層離れに悩まされていたEstee Lauderは彼女をモデルにして若いオーディエンスとのコミュニケーションを計ろうとしている動き。
Instagram-Kendall Jenner
http://instagram.com/kendalljenner
Kendall's Faves-Estee Lauder
http://www.esteelauder.com/kendall
Vogueは当然トップの座としては衰えていないが、多くのメディアが溢れる中、そしてインターネットが主流の今、厳しい状況にあるのは事実。変化が求められた時、伝統のあるVogueという雑誌の歴史を名前を背負いながらも、Vogueとしての品格を保つことより、多くの人が話題にすることを重視した上での決断。
今は話題になっているけれど、実際にVogueのこれからの歴史の上で、この事はどれくらいの影響力を持つのか、すごく興味がある。そしてなんであれ、Vogueを背負っているAnna Wintourにこそ皆が注目している。
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