このBusiness of FashionのOp-ed(Op-edとは、主に新聞や雑誌などで、その出版元とは無関係の著名な人が寄稿する記事のこと)はニューヨークのファッション業界に身を置きたい人には是非読んで欲しい。
"Are Unpaid Internships Acceptable?"
http://www.businessoffashion.com/articles/opinion/op-ed-are-unpaid-internships-acceptable?utm_source=Subscribers&utm_campaign=fa8b30cc4d-&utm_medium=email&utm_term=0_d2191372b3-fa8b30cc4d-418101517
主にこの記事は、ファッション業界における無償のインターンシップはいい子?悪い子?普通の子?的な内容。(さすがにこの表現は私には古過ぎるけど、高校の頃の先生が使っていたのを覚えていて、まさしくこの内容にはぴったりだと思ったので使ってみた。)
記事によると、近年ニューヨークのファッション業界で、無償のインターンシップに対して、学生側から訴訟を起こすケースが増えている。その相手はGucci、Ralph Lauren、Calvin Klein、Donna Karan、Marc Jacobs、Oscar de la Rentaなどなど、ビッグネームばかり。更にHarper's BazaarやVogueも過去にインターンシップ関連で比較的大きな訴訟を抱えた経歴がある。
論点は以下。
- 企業とのインターンシップを通して大学の単位やその他報酬を受けなかったインターンが、通常の従業員と変わらぬ働きをしたにも関わらず最低賃金すら得ないのは不当だと企業を訴える。
- 裁判所は、インターンが得た利益と雇用主が得た利益を検証する。
- 雇用主は従業員がもたらすのと同様の利益をインターンから得ているのではないか。
- インターンは無形の利益(レジュメに書けるような経歴、経験、コネクション作り)を得ているのではないか。
結局、結果は雇用主よりのものが(現状)多かったり、millennials (2000年以降を生きる若い層の総称)の考え方はついていけないといった社会的風潮(日本で言う、「今時の若いものは」といったやつ)も強いのも事実。
私はmillenialからはほど遠い昭和生まれでありながらインターンとしてファッション業界に身を置く、いわば中立的立場もとれる立ち位置。要は結構いい歳して今一からこの業界を学んでいる。私自身は今のインターンシップにはとても恵まれていて、多くのことを見て、経験して、学ぶことができていて幸せだと思う。ただ、多くの友人たちの話を聞いていると、ファッション業界のインターンシップは単純に「なんでも頼まれるポジション」になっているケースは少なくはないようだ。
それを喜んで引き受けて、期待以上の働きをして、未来に続けていくか、いやーやっぱり私はそんなタイプではないや、と早々にそれから引き揚げるか。あなた次第。
理にかなっていない部分はファッション業界には多くある。最先端のファッションを作り上げる世界でありながら、中身はなかなかのクラシックさがある。例えばでデザインチームでインターンシップをしていたとしたら。そんなのまさしく製造業のど真ん中であり、古臭い体制があるのは承知の上で飛び込まないといけない。それが時にスマートじゃなかろうとも。sophisticatedでなかろうとも。
そして。今時の若いものには、そりゃそれが納得いかない人もたくさんいると思うしそれも間違ってはいないと思う。そういった人たちは、その体制を変えるべく、自力で会社を立ち上げたりブランドをスタートしたり、そういったバイタリティ(と資金力)さえ持ち合わせていればいい。更に、事実そうやって若い内から自分の判断で会社やブランドを立ち上げて成功した前例もニューヨークには多くあることも忘れてはいけない。
そうやっていい子?悪い子?普通の子?な曖昧な世界を自分自身の判断で生き抜いていくのがこのニューヨーク ファッションなのではないかと強く思う。
ただ。一つ最後に思うのは、そうやった今時の若者が、ファッションのインターンシップなんてやってられるか!こんなタダ働き!私は自分のブランド立ち上げるわ!と始めた会社で、無償のインターンシップをこき使うようなことはあってはならない。そこまで理にかなってないとほんと、「今時の若いもの」以外のいい訳が見つからなくなっちゃう。
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